作家の市川沙央(いちかわ さおう)さんが書かれた小説「ハンチバック」が、第169回芥川賞に選ばれました!
芥川賞受賞が発表されたのは、2023年7月19日のことでした。
市川沙央さん、おめでとうございます!
今回の受賞で、市川沙央さんの作品はもちろんですが、市川沙央さんご本人にも注目が集まっています。
市川沙央さんが患っているという病気は「先天性ミオパチー」という難病。
この「先天性ミオパチー」とはどんな病気で、いつから発症されているのでしょうか。
市川沙央さんの経歴や学歴についても調査してみました。
■市川沙央の病気は何でいつから?
■市川沙央の経歴まとめ
■市川沙央の学歴まとめ
市川沙央の病気は何でいつから?
市川沙央さんが患っているという病気は「先天性ミオパチー」という難病。
「先天性」ということですから、「生まれつき」と考えられます。
「先天性ミオパチー」については、まったく知らなかったので、調べてみました。
【先天性ミオパチー】どんな症状?
「先天性ミオパチー」とは、どのような症状があるのでしょうか。
素人には難しい医学用語はわかりませんが、以下の説明によると、赤ちゃんの頃から筋肉が弱ってたり、緊張でつっぱってしまったりするという風に読むことができそうです。
そして、背骨が異常に強張って反ってしまったり、姿勢を真っ直ぐに保つことが出来ないとのこと。
人工呼吸器が必要となることも多く、いつも電動車椅子が必要となってしまいます。
呼吸障害その他、多くの症状があり、しかもどれも深刻なものばかりです。
「難病」と言われるのがわかりますね。
先天性ミオパチーは、骨格筋の先天的な構造異常により、新生児期ないし乳児期から筋力、筋緊張低下を示し、また筋症状以外にも呼吸障害、心合併症、関節拘縮、側弯、発育・発達の遅れ等を認める疾患群である。
経過は緩徐ながら進行性の経過をたどる。
引用元:難病情報センターのサイトより
しかし一方で、以下のような文章も見つけました。
乳幼児期以降、小児から思春期頃に極端な運動能力の低下から気づかれ診断に至るような軽症例まで幅が広い。
引用元:難病情報センターのサイトより
軽度な方も一定数いて、少し大きくなってから病気に気付く場合もあるとのこと。
市川沙央さんは、どうだったのでしょうか。
調べたところ、14歳頃から症状が進んで長期にわたる入院生活を余儀なくされたとのこと。
14歳の頃というと多感な時期ですよね。
そんな時期に長期の闘病生活を送ったということは、とっても辛い青春時代だったのかもしれません。
現在の市川沙央さんは、人工呼吸器や電動車椅子を使って生活されています。
そんな中、執筆活動をされて、しかも芥川賞を受賞されるなんて、スゴイですよね!
【先天性ミオパチー】何が原因?
「先天性ミオパチー」とは、何が原因で発症するのでしょうか。
こちらも、素人にはなかな理解が出来ない難しい話になってしまいそうですね。
しかし、キーとなるのは「遺伝子」のようです。
さらに「未解決な点も多い」とのこと。
「先天性ミオパチー」に限らず、私たちが知らない「難病」はたくさんあります。
今後、それらの病気について、専門医の先生方による研究が進むといいですね。
骨格筋の筋病理に基づいた先天性ミオパチーの病型分類と現在知られている遺伝子を下記(参考)に示す。
各病型で複数の遺伝子が認められているが、その多くは、骨格筋蛋白の欠損や機能異常に関連している。
病態の詳細については全てが明らかになっているわけではなく、未解明な点も多い。
引用元:難病情報センターのサイトより
市川沙央の経歴まとめ
市川沙央さんが小説を書くようになったきっかけは、作家の島田雅彦さんや大江健三郎さんの作品を愛読していたことから。
書き始めたのは、20歳を過ぎた頃からだそうです。
作家デビューはいつ?
市川沙央さんのデビュー作品は、2023年に発表された「ハンチバック」です。
つまり、今回の芥川賞受賞作です。
発売されたのは、2023年1月14日。
そして、単行本が発行されたのは、2023年6月22日です。
デビュー作で芥川賞受賞なんて、スゴイですよね!
市川沙央さんは、小説を書き始めた頃について「20歳を過ぎた頃から」とコメントされています。
市川沙央さんの誕生日については、1979年生まれということだけが公表されていますので、2023年のお誕生日を迎えたら44歳になるという計算です。
ということは、20歳になられたのは、今から24年前=1999年ということになりますね。
小説家デビューしたのは2023年ですが、今から24年くらい前、つまり2000年前後くらいから執筆活動をスタートさせていたことになります。
約24年にわたる執筆活動期間について、市川沙央さんはインタビューで以下のように答えています↓↓↓
長編は、30作ぐらい書きました。
300枚前後の長編。100枚前後のものも20~30作ほど。
年に1~2作は書いていました。
市川沙央の受賞歴
市川沙央さんは、今回の芥川賞受賞より前には、何か文学賞を受賞されているのでしょうか。
調べましたところ、
■「小野梓賞」
■「文學界新人賞」
を受賞されていたことがわかりました。
後ほどご紹介しますが、市川沙央さんは2023年春に早稲田大学の通信教育課程を卒業されています。
その卒業の際に書かれた卒業論文「障害者表象と現実社会の相互影響について」で、小野梓賞という賞を受賞されています。
1958年から続く早稲田大学が設けている学生褒賞。
早稲田大学の前身である「東京専門学校」創立に関わった政治学者・小野梓さんの業績を記念してつくられました。
そして、2023年5月には、デビュー作である小説「ハンチバック」で第128回文學界新人賞を受賞!
✨見本出来✨
市川沙央さん『ハンチバック』の見本ができました。
ぱきっとしたオレンジが、目に鮮やかです 🍊早くも話題の文學界新人賞受賞作。
ぜひ、お手に取ってください。発売日は📅6月22日(木)。
紙の書籍と同時に、電子書籍も発売されます。📙書誌情報📙https://t.co/WW9NKokdfP pic.twitter.com/YczAIH2TI5
— 文藝春秋 文藝出版局 (@BunshunBungei) June 9, 2023
文藝春秋が発行する雑誌『文學界』で年に1回公募される新人賞。
受賞作は『文學界』5月号に掲載され発表されます。
そして、2023年7月19日に、同じく「ハンチバック」で芥川賞を受賞されたわけです!
【第169回芥川賞】市川沙央『ハンチバック』に決定、デビュー作で受賞https://t.co/IyVKFu20Fz
先天性の疾患により背骨が右肺を押しつぶす形で極度に湾曲した側弯症の主人公・井沢釈華の生活を描く。市川さんは今回、デビュー作で受賞となった。 pic.twitter.com/xMCNJaPWmf
— ライブドアニュース (@livedoornews) July 19, 2023
年に2回、短編あるいは中編作品に与えられる文学賞。
文藝春秋社内の日本文学振興会によって選考が行われる。
受賞作「ハンチバック」について
市川沙央さんは、芥川賞作品となった「ハンチバック」を、2022年8月から書き始めたそうです。
ご本人曰く、今回の「ハンチバック」は、初めて書いた純文学の作品だそうです。
それまでは、主にファンタジー小説を書いていたのですが、それらの作品を色々な賞に投稿しても、ことごとく落選したとか。
そのような経緯があり、満を持して?書いたのが「ハンチバック」だったのですね↓↓↓
純文学は初めてです。
なぜ純文学を書いたかというと、去年一番自信があったファンタジーが落選し、もう駄目だと思ったからです。
さて、「ハンチバック」とは、どういう意味がご存じですか?
私は知らなったので、調べてみました。
すると「脊柱の異常な後方への湾曲」という答えをみつけました。
さらには「せむし」とも。
「脊柱」とは、簡単な話し言葉でいうと「背骨」のこと。
「背骨が異常に後ろ側に曲がっている」といった感じでしょうか。
小説「ハンチバック」の主人公は、背骨が湾曲してしまう重度障害を患っている女性です。
つまり、主人公のモデルは作者である市川沙央さんご本人!
市川沙央さんは、自分をモデルとして小説を書くことについて、以下のようにコメントされています↓↓↓
当時、大学に通って「当事者表象」の研究をしていました。
実例があまりに少ないので、自分で実例を目指すしかないのかなと思いました。
「当事者表象」と言われても、多くの人が「どういう意味???」と思うのではないでしょうか。
こちらの作品では、難病患者本人が、同じ病気の主人公を作品に登場させることの意味を問う、そんな新しい小説です。
「当事者表象」という言葉は、世の中の色々な問題を含んでいて、普段気付かずに過ごしていることにも気付かされるのではと思います。
その辺りにも注目しながら、作品を読んでいくのが良さそうですね。
芥川賞受賞で行われた記者会見でも、この件について質問があり、市川沙央さんは以下のように答えています↓↓↓
--マスコミからは当事者小説と表現されるが、そうした自作への当事者性の強調をどう思いますか
「私はOKを出しています。
なぜかというと、私はこれまであまり当事者の作家がいなかったことを問題視してこの小説を書きました。
芥川賞でも重度障害者の受賞は初でしょうが、どうしてそれが2023年にもなって初めてなのか。
それをみんなに考えてもらいたい、と思っています」
引用元:産経新聞(2023.7.19付)
市川沙央の学歴まとめ
市川沙央さんの学歴について、まとめてご紹介しましょう!
市川沙央は早稲田大学通信課程卒!
市川沙央さんは、2023年春に「早稲田大学人間科学部eスクール」を卒業されました。
早稲田大学には「4年間在籍していた」とコメントされていますので、入学されたのは2019年の春ということになりますね。
先ほどご紹介した通り、市川沙央さんの誕生日については、1979年生まれということだけが公表されています。
2023年のお誕生日を迎えたら44歳ですから、40歳になる年の春に入学されたということになりますね。
もともと20代の頃にも、通信制大学に興味をもっていたそうです。
しかし、当時の通信制大学は年に数回行われる「スクーリング」に参加することが必修となっていました。
その条件から、入学しても卒業にまで至らないと思い、断念されたという経緯がありました。
しかし、大学の通信課程は最近、どこの大学も大いに改革が進行!!!
早稲田大学では、2003年から「人間科学部eスクール」が始まり、すべての授業がオンラインで受講でき、スクーリングが不要となりました。
そのことを30代になってから知った市川沙央さんは、改めて早稲田大学進学にチャレンジされたというわけです。
こうして、4年間で早稲田大学を無事に卒業された市川沙央さん。
卒業するやいなや、作家としてデビューを果たし、さらに芥川受賞作家さんとなられました!
市川沙央は八洲学院大学にも通っていた!
市川沙央さんは、早稲田大学に入学される前に、八洲学園大学にも通っていた時期があったようです。
市川沙央さんは、八洲学園大学公式ホームページの中で、在学生の一人として紹介されています。
こちらのページには、以下のように紹介されています↓↓↓
2012年春学期に特修生として入学。
2013年4月より正科生として在学。
「通学不要」という本学の特徴を活かし、学芸員資格取得目指して学んでいる。
市川沙央さんは、2012年春に八洲学園大学に特修生として入学されています。
1979年生まれの市川沙央さんですから、33歳の時のことですね。
特修生制度を利用して入学する生徒のこと。
特修生制度とは、中卒もしくは高校中退の方が、高等学校卒業程度認定試験を受験することなく、大学入学資格を得る制度です。
この制度を採り入れている大学は残念ながら多くはなく、日本全国で15校程度。
2012年に特待生として入学された後、翌年の春には「正科生」になったとのこと。
最終的に、何年通われたのか。
また、卒業されたのか、については分かりませんでした。
市川沙央は高校に行ってない?
そのどちらかだと予想しました。
「先天性ミオパチー」の症状が14歳頃から進行し、長期にわたる入院を含め、長く治療に専念されていたとのこと。
高校を受験することも難しかった可能性がありますし、合格しても実際に通えなかったのでは?
先ほどご紹介した通り、八洲学園大学に特修生として入学されているから。
特修生とは、「中卒もしくは高校中退の方」が対象とのこと。
以上の根拠から、市川沙央さんは高校を卒業されていないのではと予想しました。
まとめ
今回は、作家の市川沙央さんについて、ご紹介しました。
市川沙央さんが患っているという病気は「先天性ミオパチー」という難病。
市川沙央さんは、14歳の頃に症状が進行、長期間の入院を含めた治療が必要でした。
ぞの後、20歳の頃から小説を書き始め、44歳になられた2023年に作家としてデビュー!
そのデビュー作で、芥川賞を受賞されました!
改めて、芥川賞受賞、本当におめでとうございます!
そして、学歴については、八洲学園大学に特修生として入学、学芸員を目指していた時期があったことがわかりましたね。
さらには、早稲田大学の通信課程にも入学され、無事に4年でご卒業!
高校については、ちょうど病気の症状が進行した時期と重なっていたこともあり、通われていないか、または中退された可能性が高いと予想しました。
芥川賞の受賞で、市川沙央さんの次の作品にも注目が集まりますね。
今後の市川沙央さんのご活躍を楽しみにしていたいと思います!
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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